2025年 春の旅

  ボスニア・ヘルツェゴビナ料理特集

期間 2025年4月2日(水)〜6月15日(日)

ズドラーボ!(こんにちは!)あまり知られてない外国の食文化を伝えるのがととら亭の仕事。 今回は2024年の長期取材旅行で訪れたボスニア・ヘルツェゴビナの料理とワインをご紹介しましょう。 この独立後まもない国はバルカン半島の北西に位置し、九州と四国を合わせたよりやや小さい山がちな国土に、 東京都民の約1/4にあたる328万の人々が住んでいます。 日本ではユーゴスラビア解体に伴う内戦の暗い側面が注目されがちですが、 原因にもなった歴史と民族構成に現れる複雑な文化の混淆はまた、 さまざまな要素のいいところを集めた料理のゆりかごでもありました。 ここで取り上げた3種の料理は、まさにその縮図ともいえるもの。 ヨーロッパに含まれつつも西欧とは一味違う、バルカン半島の素朴な味をお楽しみ下さい。

ソガン・ドルマ

Onions stuffed with minced beef

<<前菜>>  1300円

人間の行動で興味深いのは、民族や国のレベルで反目しても、「うまい!」という味覚の主張には勝てないこと。 ボスニア・ヘルツェゴビナを含むバルカン半島は、 その広い範囲が15世紀中葉から19世紀後半までの間、オスマン帝国の統治下にあったことから、 今でもトルコ料理の影響が色濃く残っています。 タマネギにひき肉と米を詰めて滋味深いスープで煮込んだソガン・ドルマもそのひとつ。 「ドルマ」とはトルコ語で「詰める」の意で、肉がラムからビーフに置き換えられたバージョンが、 モスタルやサラエボで根付いていました。 お供のマッシュポテトが素晴らしい引き立て役になっています。

 

クレペ
Bosnian beef dumplings with yoghurt sauce and garlic paprika butter

<<前菜>>  1300円

トルコのマントゥと共通点の点の多いクレぺは、ボスニア版のギョーザと言えるでしょう。 もちっとした小麦粉の皮でビーフのひき肉を包んで茹で、 サワークリームとヨーグルトのソースにガーリックパプリカバターを添えた盛り付けは、まさにマントゥとそっくり。 しかし、形がラビオリに近く、肉がラムからビーフに変わり、ドライミントを使わないところに独自性が見られます。 なるほど味も似て異なり、より食べやすくなっていますね。 ちなみに「クレペ」とはボスニア語で「ひだをつけて包んだ小さな茹でもの」の意。 直接の出自がトルコにあるとしても、自分たちの言葉で名を付けたところにボスニアの人々の気骨が感じられますね。

ボサンスキ・ロナツ
Bosnian hearty beef stew

<<主菜>>   2300円

ボスニアの首都はサラエボ。1984年に冬季オリンピックが開催されただけあって、 僕たちが訪れた11月でさえ最低気温はマイナス2度まで下がりました。 こう寒い土地柄となれば欠かせないのが鍋料理。 「ボサンスキ・ロナツ」は直訳すると「ボスニア鍋」となり、まさしく国民食ともいえる一品です。 ビーフやラムなどのごろっとした肉とジャガイモ、タマネギ、ニンジン、キャベツをじっくり煮込み、 ホールで入れたブラックペッパーがアクセント。 今回はミリャツカ川の畔に立つ老舗のレストランで見つけたビーフバージョンを再現しました。 シンプルながら素材のうま味が凝縮された、いかにもバルカン半島らしいシチューです。

ボスニア・ヘルツェゴビナのワイン
ボスニア・ヘルツェゴビナの正式名は二つの地名が併記されたBosnia and Herzegovina。 そのヘルツェゴビナ側ではワイン作りが盛んです。 なかでもミネラル感のある地ブドウを使った果実味溢れるワインは、 この国を代表する輸出品のひとつ。今回の料理とぜひ合わせてどうぞ!
白ワイン ジラフカ クオリティ

ボトル 3800円 グラス 750円

赤ワイン ブラティナ クオリティ
ボトル 3800円 グラス 750円

 

※ 旅のメニューはディナーのみの提供となります。

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