第1回研修旅行 
渡航国 タイ
訪れた街 バンコク
期 間 2013年11月25日(月) 〜 2013年11月28日(木) 4日間
言 語 タイ語 英語
通 貨 バーツ
航空会社 タイ航空
アクセスルート 往路 成田空港 → TG641 6時間30分 → スワンナブーム国際空港
  復路 スワンナブーム国際空港 → TG676 5時間50分 → 成田空港
泊まった宿 バンコク The Heritage Bangkok
スクール Baipai Thai Cooking School

僕らの海外旅行のバックグラウンドはやっぱり身近なアジアの国々。
しかし、ととら亭を始めて困ったのは、かつてよく訪れた中国やベトナム、インドネシア、タイなどに行き難くなってしまったことです。 それというのも、こうした国々の料理を提供している専門店は、どこの街にでも普通に見かけますからね。まさか僕らが中華料理やタイ料理を特集しても、お客さんは来てくれないでしょう。 そこで考えたのが『取材』ならぬ『研修』です。 お店を休んで出かけるからには何らかの大義名分が欲しい。 しかし取材で行ってしまっては結果をご披露しなくてはなりません。そこで目的が現地のクッキングクラスに入る研修ならば、参加することが結果となるので、 営業上の問題にはならないのではないか?  「それじゃ久し振りに行ってみよう!」となったのが13年振りのバンコクです。

成田からのフライトが10時45分発だったので、僕たちが野方を出たのはまだ薄暗い朝6時半。 例によって昨夜は遅くまで仕事をしていましたから、成田エクスプレス内で軽く朝食を食べるなり、 二人とも即爆睡。はたと気が付けば、もう成田空港駅(第1ターミナル)です。

今回お世話になった航空会社はタイ航空さん。 いつもラブリーなキャビンクルーに加え、 エコノミーながらアメニティも良いのでバックパッカーの間では評判がいいのですよ。

いまフィリピン上空を過ぎましたから、あと3時間弱で13年振りのバンコクに着きます。 ワクワクしてきました!

タイ航空さんに乗る楽しみのひとつが機内食。そう、タイカレーが美味しいんですよ〜!  僕のチョイスはゲーンカリー(イエローカレー)。 でも機内食は一般的に機体前方の席から後方に向かってサーブし始めるため、 後部の席だとタイ飯がなくなってしまうことも。 ウェブチェックインの際は要注意ポイントです。まぁ和食やコンチネンタルも悪くはないのですが、せっかくならここからタイの気分を味わいたい。

で、着いてみると・・・うわぁ〜、驚きました!
事前に調べてはいたものの、13年振りのバンコクの変わりようはスゴイ!  かつては古臭いドムアン空港に着いたら、並行している道路と鉄道を越える長い陸橋を渡ってドムアン駅へ行き、 そこからローカル線でバンコク中央に位置するホアランポーン駅へ移動したものですが、 新しいスワンナブーム国際空港は鉄道が直結している上に、 市内も地下鉄や高架鉄道が張り巡らされているじゃないですか!  これまでずっと、ホアランポーン駅前でトゥクトゥクドライバーとカオサンストリートまで行く料金の交渉をするのが、 初日の儀式だったのが、鉄道を乗り継いで、さっとホテルの前まで来てしまいました。


今回、バンコクを訪れたもうひとつの目的は、ブラザーのダブーに会うこと。 彼の顔を見るのも2006年9月のニューヨーク以来、7年振りです。 彼はネパール人ですが、いま留学先のロンドンで知り合ったタイ人の奥さんと一緒にバンコクに住んでいます。スキンヘッドですけど僧侶ではありません。彼なりのファッションです。

かつてバンコク到着とあらば、安宿が集まるカオサンストリートに直行だったのですが、 今回はダブーがBTSシーロム線チョンノンシー駅すぐ脇にある手頃なホテルを予約してくれました。 何処へ行くにもアクセスが良く、新しいホテルにしてはツインで約4300円ほどと大変リーズナブル。 近くに食堂やコンビニもたくさんあり、夕食は目の前のちょっとお洒落なレストランに入りました。 僕たちはタイ料理が大好き。まずはタイ風さつま揚げともいえるトートマンプラーでも摘まみながら、 お互いの近況報告と行きましょうか。

久し振りのバンコクで食事となると気持ちがはやります。 メニューを端から全部オーダーしたくなりますね。 ん〜・・・では、ご飯ものはお約束のガパオにしましょう。 あ〜、このタイ米の独特な香りがたまりません!


これまた定番のパッタイ。おいおい、レストランに入っても注文しているのは屋台料理ばっかりじゃないか!  でも美味しい。ほんと、永らくこの味を夢見ていました。僕の渡航経験内で一番訪れた回数が多いのがバンコク。 気分的にはアウェイではなく、ホームなんですよ。
ともこは2度目のタイ。初めて来たのは2000年2月のこと。彼女にとっては2度目の海外旅行でした。 あの時はまだ僕も会社員。ともこは箱根のオーベルジュに泊まり込みでフランス料理の修業中。 限られた休暇の日数で訪れたのは、プーケット、バンコクそしてアユタヤでした。 駆け足でしたからまだまだタイは初心者マーク。という訳で、今日は王道を行く水上マーケットへ!  で、ここは洪水が・・・ではなく、川を道路にした街並みです。従いまして生活の足は自動車や自転車ではなく船。
手入れが行き届いた黒光りする船外機。若者のみならず、おじさん、おばさんも器用にこれを操って船を走らせます。 パワーがあるのでスピードが出るんですよ。
ここも川というより道路です。対向車ならぬ対向船が来た時は水しぶきに要注意。 こういう移動をしていると「あ〜、タイに戻って来たなぁ・・・」という気分になります。

やって参りましたダムヌーン・サドゥアク水上マーケット!  色とりどりのフルーツや野菜が売られています。

中には軽食を売る船も多く、僕がゲットしたのは炭火で香ばしく焼き上げられたチキンスティック。
次は何を食べようかな? とぶらぶらしているといい匂いが。 よし、次はあのおばちゃんが作ってるクァイティアオ・ナーム(米麺の汁ソバ)にしよう!
気温は33度。加えてかなりの湿度ですが、汗を拭きながら食べるこの麺料理の美味しいこと。 お腹の中から元気が出てきます。
翌日は朝8時半にホテルのロビーでピックアップされ、いよいよ初の海外研修へ。 出発前にインターネットでざっと調べるとクッキングクラスはいろいろありましたが、 僕らが選んだのは『プロのニーズいも応えます』と謳っていた Baipai Thai Cooking School 。 教えて頂くのは、タイ風包み揚げ、トムヤムクン、グリーンカレーとエッグカスタードです。 いずれもお馴染みのメニューですが、ここでは既存のペーストなどは使わず、 庭に生えているハーブを摘み、その下処理をするところから始まります。
僕がやっているのはココナッツの実の処理。 まずココナッツを鉈でバシっと割り、ジュースを取り出します。 次にこの写真。僕の手の陰で見えませんが、 ダックスフンド型のウサギ(?)の鼻にフォークのような金具がついている器具に腰かけ、 ごりごりと果肉をこそげ落としています。ちょっとコツが要りますね。

講師は陽気なタイ人の男性のマーチ。レクシャーは英語で行われますが、限られた調理用語の範囲ですから、ともこもご覧の通り余裕綽々。 他の受講生はアメリカ、オーストラリアなどから来た方々でした。みんなフレンドリーで楽しい。

ととら亭では缶詰か紙パックに入ったココナッツミルクを使っていますが、 ここではさきほどこそげ落とした果肉から絞ったものを使います。 とろりとした甘い香りの一番搾りをしばらく置いておくと上に浮かんでくるものが・・・
へぇ〜、これがココナッツオイルなんですか! 知らなかった!  2番絞りはさらっとしているので素材を煮込むときに使います。 一番搾りは仕上げ用。
ちなみにタイにはもともと『炒める』という料理方法がありませんでした。 それをもたらしたのは華僑たちです。そこで使われているのがWOKと呼ばれる北京鍋なんですね。

さて、一品目は挽肉をライスペーパーで包んで揚げたもの。 カリカリした食感とジューシーな具のバランスが素晴らしい。 これは僕が作った方なんですけど、いかがです? きれいに出来ているでしょう?   ここのカリキュラムはとてもよく出来ていて、 一品作ったらすぐ試食、そしてキッチンに戻ると次の準備が整っているという、 至れり尽くせりの内容です。

2品目はトムヤムクン。摘みたてのハーブで作った瑞々しい香りがします。 やっぱり出来合いのペーストを使ったものとは違いますね。

今回はスクールのカメラマンが撮影担当だったので、僕もけっこう登場しています。 慣れた手つきでしょう? 実は我が家の最初の賄い担当は僕だったんですよ。 20年近く前の古い話ですけどね。今ではともこに敵いませんが、エスニック系ならまだ負けないぞ!

そして出来ました、メインのゲーンキヨワーン(グリーンカレー)。
見て下さい、この素晴らしい盛り付けのセンスを! ちなみにこの料理は日本で食べる場合と最も差の出る料理のひとつ。日本ではフレッシュハーブから作っている店は稀ですからね。出来立てのペーストは、ちょっと例えようのない香りがします。ぜひタイに来たらお試しを。

デザートはパンダンリーフの甘い香りがするエッグカスタード。 辛い料理の後のお口直し。4品とも大変美味しく出来ました。

ともこの調理技術の基礎はフレンチとドイツ料理なので、 今回のレクチャーは大変勉強になったそうです。 特に素材の下処理は僕もレシピを書く上で参考になりました。 そして雰囲気のいいスクールとラブリーなスタッフさんたち。 ぜひもう一度、違うカリキュラムで参加してみたいですね。

翌日はバンコク版の築地ともいえるクロントーイ市場へ。 昨日の研修で使った素材がたくさん並んでいます。 どれも新鮮でおいしそう。持って帰れるならみんな買いたいですね。

場内では売り手の威勢のいい声が飛び交っています。 ポーターもいるので買い物が多くなったお客さんは運んでもらっていました。
僕たちは免税品店には興味がありませんが、市場をぶらついていると時間を忘れます。 クロントーイ市場では精肉、鮮魚、野菜、金物、雑貨などがセクションごとに分かれており、 くまなく見るなら半日は必要でしょう。そして歩き疲れたら、美味しそうな軽食を売る屋台のベンチで一休み。
国民一人当たりのトウガラシの消費量が世界一と言われるタイだけあって、 トウガラシだけでも様々な種類が売られています。 これらは単純に辛みを足すためだけではなく、 香りや旨みを出すのにも使われているのですよ。 その細かい使い分けはトウガラシの生まれ故郷、メキシコ料理にも通じる情熱を感じました。
日本と同じく稲作文化圏ですから米へのこだわりもご覧の通り。 さまざまな種類の米が販売されています。
今回の滞在期間はたった4日間。カオサンストリートにも行かずに帰るなんて、僕たちにとっては寝た子を起こすようなものですが、 懐かしいタイの記憶を呼び起こすには十分だったかもしれません。 であれば最終日はチャオプラヤー川をボートで移動し、王宮前で夕焼けを眺めましょう。 13年前もこうして夕陽を見ていたような気がします。喧騒に包まれたバンコクでホッとするひと時です。

そんな僕たちの思いが通じたのか、西の空がこんな色に染まりました。 思えばこの街は、僕の旅の原点なのかもしれません。 いつ訪れてもやさしく出迎えてくれるバンコク。 タイ語のやわらかい響きにも似た風が川面に流れていました。

左奥に見えるのはワット・アルン。 名残惜しいのですが、この辺で引き返しましょう。
最後の夕食はやっぱりこういうところ。 猥雑なパッポンストリートを抜け、裏通りを少し入ったところにあるフードコートです。 沢山のローカルたちで賑わっています。
中はご覧の通り、そそられるお店がいっぱい。さぁ、何を食べましょうか?

まずはスープからいきますか。コクのあるココナッツミルクにライムの爽やかな酸味が効いたトム・カー・ガイ。 チキンもたっぷり入ってボリューム満点。あ〜、じわっと美味しい! 写真につっていませんが、お供は象のマークのチャンビール。

で、またガパオを頼んでしまいました。好きなんですよ、これ。お店ごとに微妙な味の違いがありますし。 ここのはもちろんアタリでした。

ああ、たくさん食べられないのが悲しい。あと一皿で限界です。 で、選んだのがワタリガニと春雨の炒め物。パクチーたっぷりでいい香り。

短いながらもぎゅっと詰まった4日間のバンコク。明日はまた朝5時に起きて6時には空港でチェックイン。 フライトは8時発です。タイは近いですね。これを機にまた来たいと思います。今度はもう少しゆっくりできるかな?

See you on the next trip!!

 

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