第2回取材旅行
渡航国 ポルトガル
訪れた街 リスボン エヴォラ シントラ
期 間 2011年9月26日(月) 〜 2011年10月4日(火)
言 語 ポルトガル語
通 貨 ユーロ
航空会社 ブリティッシュエアウェイズ
アクセスルート 往路 羽田空港 →12時間15分→ ロンドン ヒースロー国際空港 →2時間40分→ リスボン ポルテラ空港
  復路 リスボン ポルテラ空港 →2時間45分→ ロンドン ヒースロー国際空港 →11時間40分→ 成田空港
泊まった宿 リスボン Lisboa Central Hostel
  エヴォラ PENSAO Residencial POLICARPO

ポルトガル。
火縄銃やキリスト教の伝来で、誰もが歴史の時間に聞いた国名。最近は少々疎遠になった感なきにしもあらずですが、食文化は現代でもしっかり僕たちの日常に根を下ろしています。そう、テンプラ、飛竜頭、カステラ、コンペイトウ・・・これら日本でお馴染みの料理やお菓子は、その起源をポルトガルに遡れると言われています。さぁ、第2回目の取材旅行は、美味しい料理とワイン、そして日本に帰化した料理の故郷を訪ねてユーラシア大陸の西の涯まで行ってみましょう!

いきなりこんな格好で失礼します。

僕らの旅は低予算。例によって使えるのは格安航空券。
同じエコノミーでも値段の差が出る一例がこれ。

羽田からの出発が06:25なんですよ。
と言うことは、チェックインが04:25じゃないですか。
自家用車のない僕らがそんな時間にアクセスする方法はタクシーのみ。
深夜割り増しで野方から羽田へ?
そいつは無理だ。

という訳で終電を使ってアクセスし、
ご覧の通り、ベンチで仮眠となりました。


イギリスのヒースロー空港を経由し、リスボンに着いたのは現地時間17:35。
空港からはエアポートバスで市内まで移動しました。
所要時間は約30分。 ゲストハウスで一休みしてからは、
フロントのお兄さんに聞いたお勧めのレストランへ。

お、あったあった! いい感じのファサードですね。


さすがお勧めのレストラン。
店内はローカルでいっぱい。
僕たちが座ったら満席になってしまいました。

早速メニューを見てみましょう。
あ、ありましたよ、取材候補の料理が。

まずはこれ、バカリャウ・ア・ブラス。
塩漬けの干し鱈とポテトをオリーブオイルで炒め、
卵でとじた料理です。


次はカルネ・デ・ポルコ・ア・アレンテジャーナ。
ポルトガル独特の調味料、
赤ピーマンペーストとガーリックでマリネしたポークとアサリのソテー。
コリアンダーとレモンの香りが絶妙のハーモニーです。

時差ボケ無縁の僕らは一夜明ければ元気いっぱい。
10時の開館と同時に国立古美術館へ。
お目当てはヒエロニムス・ボッシュ「聖アントニオの誘惑」でしたが、
交易の名残である日本の文物も興味深かったですね。
お昼過ぎに市電を乗り継ぎ、ベレンへ。
写真は16世紀に建造されたジェロニモス修道院。
これも16世紀に建てられた船の出入りを監視する要塞、
ベレンの塔です。

リスボンは港町。
坂と港は僕が生まれ育った街、横浜とも共通しています。
その所為か、初日から肌にしっくり来ますね。



さて、今日のランチは何処にしましょうかね?

ん? 何やらいい匂いがして来ましたよ。
これは何処かで嗅いだことがあるような・・・

もしかして新橋のオフィス街のような・・・

まずはさっぱりサラダミシュタ。
生野菜を安心して食べられる国はいいですね。
奥のパンも素朴な味わいで美味しい。

本日の魚のグリルはサーモンでした。
ご覧の通りの鮭の輪切り。
ボリュームあります。

さっきの新橋の香りの正体がこれ。
サルデーニャス・アサーダス。
新鮮な鰯の塩焼きです。
この時期は鰯が旬なのですよ。

デザートはお店を変えましょうか。

入ったのはここ。
1837年創業の老舗、パスティス・デ・ベレン。


左がパステル・デ・ナタ。
実はべレンまで来た目的はこれだったのですよ。

日本ではエッグタルトとして知られていますよね。
薄くてパリパリのパイ生地の中にコクのあるクリームがたっぷり!

子供に限らず大人も大好きなのでしょう。
帰りの市電の中で待ちきれなくなったおっさんが袋を開け、
むしゃむしゃ食べていました。


こじんまりしたリスボンの街を散策するなら市電が一番。
ゆっくり走るので景色も楽しめます。

ベレンとは反対側に位置するアルファマ地区の丘を昇り、
大聖堂へ。

ゆっくり散歩しながら丘を下り、
お洒落なお店が並ぶアウグスタ通りへ。

日も暮れたところで裏道に入ると、
ありましたよ、素敵なレストランが。

乾いた夜風がとても心地良いです。
こんな夜は外のテーブルでディナーにしましょう。


スターターはチーズ。
そして忘れちゃいけない。
ワインはヴィーニョヴェルデ!

早摘みの葡萄を使った微発泡のさわやかなワイン。
どっしりしたフレンチワインのような主役にはなれませんが、
脇役としては素晴らしい!

なるほど、どのテーブルを見ても、皆さんこれを飲んでいますね。


今回の取材の目玉は何と言ってもバカリャウ。

昨夜もこれを使ったバカリャウ・ア・ブラスを食べましたが、
バリエーションは実に365種類を超えると言われています。

今夜はより素材の味が楽しめる料理を選んでみましょう。

これはバカリャウ・アサード。
バカリャウをオーブン焼きにした素朴な料理です。

次なるはアローシュ・デ・マリシュコ。
ポルトガル版のシーフードリゾットですね。
港町のリスボンは魚介類がとても豊富。

ユニークなのは、
薬味としてコリアンダーの葉(タイ語で言うパクチー)を使っていること。

アジアン・ヨーロピアンの香りが大航海時代の名残を感じさせます。


ヨーロッパ諸国の取材で困るのは一皿の量。

チーズとメイン2品でお腹ぱんぱんになってしまいました。

あ〜、二日目にして既に少々食べ過ぎです。
夜風が気持ちいいので、腹ごなしにちょっと散歩して帰りましょうか。

これはサンタジュスタのエレベーター。
展望台です。



コメルシオ広場の夜景。

そして、もう一度アウグスタ通りへ。

20時を過ぎると殆どの店がシャッターを降ろしますが、
いい雰囲気ですね。


さぁ、翌日はバスに揺られて1時間半、
午前中にリスボンの東にある世界遺産の街、エヴォラまで移動しました。

僕たちの予算ではちょい高めでしたが、
折角のロケーションですから、
投宿したのは元貴族の館を改装したペンサオン。

室内はこんな感じ。
ゴージャスって雰囲気ではありませんが、
静かで落ち着けます。

無線LANは・・・
ん〜・・・アクセスポイントはゼロ。
ま、田舎町ですからね。

さぁ、お腹が空きました。
広場の裏通りまで行ってレストランを探しましょう。

ほら、ありましたよ。
(写真は夜に撮ったものです。)

丁度昼時と言うこともあって、店内はローカルでいっぱい。

面白いのはスタッフの役割分担です。
皆さんご存知の通り、ととら亭はともこがキッチンで僕がホール。
実はポルトガルは殆どがそうなんですよ。

ここも店主と思しき親父がいい雰囲気です。

注文はまずこれで行きましょう。
カルド・ベルデ。
ちりめんキャベツのスープ。
それと鰯のフリッター。

ん〜・・・じわっと美味しい!

え?
そこまで行ってフレンチフライを食べてるのか?

違いますよ!
これは初日のディナーでも食べた、
カルネ・デ・ポルコ・ア・アレンテジャーナ。
エヴォラの名物ですからこれを取材しに来たようなものです。

ま、確かに僕もサーブされた時は目が点になりましたけどね。
ポテトを食べて行けば、そのうちポークとアサリがこんにちは!


例によって二皿でギブアップ・・・

いや、フライドポテトとかは適当に残せばいいんでしょうけど、
同業者だからと言うより根がビンボー性なので、
残せないんですよ。

で、食べたら歩く訳です。

左はローマ時代のディアナ神殿から見たカテドラル。
時代を隔てたものが共存する不思議な空間です。


カテドラルの中のパイプオルガン。

今から427年前の1584年9月、
ここを訪れた天正遣欧少年使節の面々は、
この音を聴いただけではなく、
どこで習ったのか、伊東マンショと千々石ミゲルは、
プレイまでしたそうですね。

曲は何だったのだろう?

奥に見えるのはローマ時代の水道橋。

遺跡の中に住むのって、どんな気持ちでしょうね。

さぁ、日も暮れてきました。


エヴォラは一泊しかしませんから、
ディナーでハズレは許されません。

野生の勘に導かれて入ったのはこのレストラン。

まずはサラーダ・デ・ポルボ。
タコのサラダです。

日本人の僕たちにとってタコはお馴染みの食材ですが、
これを食べるヨーロッパ諸国は意外と少なく、
ポルトガルのほかには、
スペイン、イタリア、フランス、ギリシアくらいとのこと。

イギリスでは「悪魔の魚」(devilfish)なんて呼ばれる嫌われよう。
美味しいのにね。


スープはアソルダ・アレンテジャーナ。
コリアンダーとガーリックが香りが食欲をそそる、
アレンテージョ地方のスープ。
パンとポーチドエッグも入って結構ボリュームがあります。

そしてこれ。
リスボンで食べたものから数えると、
3食目のカルネ・デ・ポルコ・ア・アレンテジャーナ。

ちゃんと仕事しているでしょう?
同じ料理を別の場所で3回は食べないと、
その本質って、やっぱり分からないのですよ。

この店のはランチで食べたものとほぼ同じ。
リスボンのを含めても、味にばらつきはありませんね。
美味しいですよ、とても。
これはぜひ紹介しなくては!


ここではがんばって海老のグリルも挑戦してみました。
ん〜・・・ヴィーニョヴェルデがすすみます。
でもフライドポテトはもういいかな?

地方都市は治安もいいので、
こんな素敵な路地をぶらぶら歩いて宿まで戻りました。

部屋は東向き。
しかも旧市街を見渡す景色がいい。
ということは朝焼けが見れる。

そこでちょっと早起きしてみました。

こんな風に、
太陽が昇ってくるのをボーっと見ているのは、
開業前に中南米を旅していたとき以来だな。

なんか、地味に幸せです。


午前中の早いバスでリスボンへ戻り、
ともこの会社員時代の友人、はまちゃんと待ち合わせ。
行きつけのローカルレストランへ連れて行ってもらいました。

近付けば何やら香ばしい匂いが・・・

その正体はこれ。
お店の入り口でじゅうじゅう焼いていたローストチキン。

お腹すいた!


ここでも登場、ヴィーニョヴェルデ。
どこで飲んでもハズレなし。

さぁて、
まずは鰯のフリッターから行ってみましょうか。

次はサラーダ・ミシュタとパン。
あんまり美味しいので、
ついどんどん食べてしまいそうになりますが、
ここまではまだ前菜。
セーブしなくては。

アローシュ・デ・フェイジャン。
ポルトガルはヨーロッパでも前菜やサラダの一部ではなく、
主食としても米を食べる珍しい国。
これは豆が入ったリゾットです。

お待たせしました!
さっきのローストチキン。
香ばしく焼き上げられたジューシィなチキンを、
手づかみでむしゃむしゃ。

このレストランは何を食べてもハズレないですね。
どうりで広い店内がローカルで満席なわけです。


はまちゃんたちと別れた僕たちは市電を乗り継ぎ、
バイロアルトへ。
お目当てはポルトガルの「民俗」音楽のファド。
これは酒場で歌われる演歌みたいなものなんですけどね。
哀愁漂うメロディーと繊細なポルトガルギターの音が、
何とも言えません。

で、ライブを聴くならファドハウスが一番。
トップクラスのミュージシャンが出演するオ・ファイアへ。


そうそう、ファドもノスタルジックですが、
僕にとっては市電も郷愁を誘います。

如何です? この木製の車内。

僕が生まれ育った横浜にも、
昔はこうした市電が走っていたのですよ。
まるで子供の頃に戻ったような気持ちになりましたね。

サウダージ。

ファドハウスはライブハウスですが、
同時にやや高級なレストランでもあります。
食事をしながらゆっくり音楽を楽しめます。

まずは前菜を摘みながら、
ミュージシャンの登場を待ちましょう。

フラッシュを使わず、ほの暗い店内で撮影したので、
いまひとつディティールが伝わり難いと思いますが、
これはふぐ刺しのように薄く切った、
バカリャウのカルパッチョ。

ブラックオリーブのソースとよく合います。

メインは同じくバカリャウのクリーム煮。
同じ食材を使っても別物の旨さ。

ランチを食べ過ぎてしまったので、
これでギブアップ。

翌日は地下鉄と市電を乗り継いでアルファマ地区へ。

意外と苦労するのが初めて使う交通機関。
地下鉄に乗るのも最初は結構戸惑います。

真剣にチケットベンダーのディスプレイを見入るともこ。
ちゃんと切符を買えるかな?

目指すはここ、
サンタ・クララ広場で毎週火曜日に開かれている泥棒市。
これに商品価値ってあるんですか?
な物が雑多に並べられた露店がいっぱい。
面白いんですよね。

ととら亭で使えそうなものはあるかな?

かなり沢山のお店が出ていたので、
一回りした頃にはお昼になっていました。

ランチは脇道にあった小さな食堂で。

前菜はパスティス・デ・バカリャウ。
バカリャウを使った小ぶりのコロッケです。
熱々が美味しい!

ここでも注文してみましたカルド・ヴェルデ。
やさしい味わいに、ほっとします。
メインは再びバカリャウ・コシード。
温野菜の盛り合わせにバカリャウが添えられています。
あっさりしていて沢山食べられます。
帰り道のスーパーで見つけました。
これがバカリャウです。
写真左上にある水色のゴム手袋から、
大きさの想像がつきますか?
売り方はもちろん切り売りです。
カステラの原型は、
スペインのカステージョ地方のパンのことではなく、
ポルトガルのパン・デ・ローという説が有力です。

その本家から逆に日本で修行し、
日本のカステラを里帰りさせたパウロさんのお店がここ。

奥さまの名前が奇しくも智子さん。

オリジナルのパン・デ・ローを買いました。
今夜、宿に帰ってからのデザートです。

と思ったのですが、
歩き始めて小腹が空き、
ならば食べ比べとばかりにカフェへ。
如何です?
これがパン・デ・ロー。

日本のカステラとはちょっと違いますが、
美味しいですよ。

やば、ちょっとおやつには遅すぎた。

でも仕事ですから食べなければなりません。
ディナーはここにしてみましょう。

パスティス・デ・マリシュコ シーフードのクリーム煮を包んだ薄い衣のフライ。
さくっとした食感と熱々のクリームが楽しめます。

しかし結構ボリュームがあるな。
これで前菜?

バカリャウ・ア・ミニョッタ
バカリャウと玉ねぎ、ガーリックにオリーブオイルをかけて、
オーブンで焼いたもの。
何とも言えないいい香り。
シーフードとポテトのソテー

カルネ・デ・ポルコ・ア・アレンテジャーナのシーフード版のような一品。
赤ピーマンペーストのソースは魚介類にもよく合いますね。
これもコリアンダーがアクセント。

最終日はユーラシア大陸の最西端を目指します。
イギリスの詩人、バイロンをして、
「この世のエデン」と言わしめたシントラに寄り、
ペーナ宮殿を散策。

お昼はまた直感に導かれて路地裏のレストランへ。

ここでもカルドヴェルデ。
量が凄いですね。
ひとりだったらこれだけで満腹しそう。
続く料理も半端じゃないボリューム感。
スライストマトの大きさから想像して下さい。

左がバカリャウ・コン・ナタス。
バカリャウを使ったグラタンです。
右は定番のサラーダ・ミシュタ。

く・・・苦しい・・・

そして来ました。 ここがユーラシア大陸の西の端。
ロカ岬。

別に何があるという訳ではありませんが、
地の涯というと、
旅人には何かこう感じ入るものがあります。

どういう理由か、旅人って種族は、
端っこを目指すものなのですよ。

ちなみに此処では最西端到達証明書を発行してくれます。
あ、いいなぁ!と思ったら、御代が5ユーロ。
「それじゃあたしの分だけね!」
と即決され、ともこの分だけ発行して頂きました。

それは今、ととら亭の「どこか」に掲示されています。

ローカルバスでカスカイスまで出て、
そこから電車でリスボンへ。
帰った頃にはすっかり日が暮れていました。

最後の夜はアルファマ地区のレストランで。

もう一度シンプルにバカリャウを味わっておきたいので、
またもやバカリャウ・コシード。

ん〜・・・やっぱり本場は何処で食べてもハズレませんね。

もう一品は、同じくバカリャウを網焼きにした、
バカリャウ・アサード。
レモンとコリアンダーが旨みたっぷりの素材を引き立てます。
メイン2品でもうかなり満腹していたのですが、
最後の晩くらい、デザートまで頑張りましょう。

レストランのお兄さんお勧めのプリン。
濃厚で確かに別腹的うまさ!

そんなこんなで慌しい旅程でしたが、
無事に取材も終わりました。
さぁ家路につきましょうか。

帰路も往路と同じく早出です。
8時15分のフライトなので、空港のチェックインは6時。
逆算して宿をタクシーで出たのが5時半。

眠いですね。
朝食は空港の売店で買ったパンとコーヒー。
成田はまだここから約17時間先です。

ほえ〜・・・

See you on the next trip!!

 

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